梅雨時期(5月~6月)と夏場(7月~9月)は湿度や気温が高く、細菌が増えやすいので食中毒が発生しやすくなるため、特に注意が必要です。今回は、夏の水分補給や持ち運びに便利なペットボトル飲料の取り扱いについてです。

これからの暑くなる時期は他の時期に比べて水分を取る機会が多くなります。ペットボトルなどの容器に直接口をつけて飲んだ場合、口の中の細菌が容器に入り込んで増殖し、食中毒の原因となります。
また、口をつけていなくても蓋を開けることにより空気中の微生物が入り込んでしまいます。

宇都宮市衛生環境試験所が行った実験を紹介します。
【緑茶】、【麦茶】、【果汁100%オレンジジュース】、【スポーツ飲料】、【ミルクコーヒー】、の飲み残しを30℃の環境に48時間放置し、細菌数を計測しました。

分析結果としては48時間放置した間に最も細菌数が多くなったのは【ミルクコーヒー】でした。24時間で約1万倍、48時間で30万倍以上に増殖…。
菌は糖分やたんぱく質を栄養として増殖するため、多く含まれるミルクコーヒーでは大幅に増殖したと考えられます。

2番目に細菌が多く増殖したのは【麦茶】でした。麦茶は穀物である大麦の種子が原料となっており、炭水化物を多く含むことから、細菌が増えたと考えられます。

また、この実験では【緑茶】、【果汁100%オレンジジュース】、【スポーツ飲料】は細菌が減少しました。
果汁100%オレンジジュースとスポーツ飲料は糖分が多くて細菌が増えそうですが、これらは強い酸性だったこと、そして緑茶はカテキンの働きで細菌の働きを抑える効果があることから細菌が減少したと考えられます。
ただし、これは【常温で放置しても安全】というわけではないので注意が必要です。

細菌を増やさないための3つのポイント
① グラスなどの別の容器に移して飲む
口を直接つけなければ細菌がペットボトルに入るのを防げるので衛生的です。

② 冷蔵庫に保管すること
仮に細菌がペットボトル内に入ったとしても、増殖しにくい温度を保てば増えることは無くなります。

③ 早めに飲み切ること
短時間で飲み切ってしまえば、細菌が増殖する時間も他の食中毒菌等が入り込む機会も減らすことができます。

食べ物だけでなく飲み物からの食中毒にも十分注意していきましょう。
217
315
scroll-to-top